柴田俊幸 Toshiyuki Shibata(フラウト・トラヴェルソ)
西山まりえ Marie Nishiyama(チェンバロ)
《シャーロット王妃とロンドンの師》
神童モーツァルトと師クリスティアン・バッハ
~ロンドンでの運命的な出会い~
▶ロンドン・ソナタ K10~15(全6曲)
Sonate für Cembalo und Flöte K10~15
・変ロ長調 K10
Sonate in B K10
・ト長調 K11
Sonate in G K11
・イ長調 K12
Sonate in A K12
・ヘ長調 K13
Sonate in F K13
・ハ長調 K14
Sonate in C K14
・変ロ長調 K15
Sonate in B K15
▶ソナタ ニ長調 Op.16 No.1 W.B10(J.C.バッハ)
Sonate in D Op.16 No.1 W.B10(J.C.Bach)
▶ソナタ ヘ長調 Op.8 No.6 W.B40(J.C.バッハ)
Sonate in F Op.8 No.6 W.B40(J.C.Bach)
※曲目順不同
[使用チェンバロ]
タスカン・モデル 1769年フランス(B.ケネディ製作 アムステルダム)
1年間通った日本の大学で、ドイツ語学科の同級生が「私、クラシック音楽は好きだけど、モーツァルトだけはどうしても苦手なんだよね。聴くと眠たくなってしまう」と言っていたことを思い出します。あの日以来、ただ心地よいだけでなく、新鮮さに満ちたモーツァルトの演奏をどう実現するか、日々考えてきました。大作曲家ゆえに、演奏機会が多く、どの曲もすでに多くの録音があるため、時には聴き手に飽きが生じることもあるでしょう。そんな中、過去の音楽を「出来立てホヤホヤの音楽」としてお届けするために、今回の日本モーツァルト協会例会では、彼の青年期のソナタ集をいつもと違う視点から解釈し、大胆に演奏しようと思います。ぜひお楽しみに!
柴田俊幸
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私にとってモーツァルトといえば、指揮者ルネ・ヤーコプスのオペラ稽古を見学し「フィガロの結婚」でチェンバロとフォルテピアノを演奏していた亡き奇才鍵盤奏者、ニコラウ・ド・フィゲイレドがすぐに脳裏に浮かびます。龍が舞うように鍵盤を弾く姿は、今でも鮮明に覚えています。本番では、ルネが指揮をやめて、ニコラウの奏でるユーモアに満ちた演奏にただくすくす笑っているような場面もありました。そのインスブルック音楽祭で大喝采を浴び、誰もが「彼はモーツァルトの生まれ変わりではないか」と評していたほどの刺激的な演奏、彼の奏でるマジック・キーボード!?の持つ不思議な力に魅せられ、私には常にチェンバロで奏でる前古典派、古典派の作品には特別な思いがついてまわるようになったのです。今回、日本モーツァルト協会より、ロンドン・ソナタ全6曲をチェンバロで演奏する機会をいただきました。光栄で嬉しく、また初共演となる柴田俊幸さんも楽しみです。(今夜の編曲は、フラウト・トラヴェルソがイニシアティブを取る構成になっています!)
西山まりえ
ヨーロッパを中心に活動するフルート/フラウト・トラヴェルソ奏者。ブリュッセル・フィルハーモニック、ベルギー室内管弦楽団などで研鑽を積んだ後、古楽の世界に転身。ラ・プティット・バンド、イル・フォンダメント、ヴォクス・ルミニスなどベルギーの古楽アンサンブルに参加。これまでにシギスヴァルト・クイケン、アンドリュー・パロット、ヘルヴェ・ニケ、フィリップ・ヘレヴェッヘ、マーカス・クリード、バルト・ナーセンス、クリストフ・プレガルディエン、ステファン・ドゥネーヴ、エド・デ・ワールト、マーティン・ブラビンズ、ジャンカルロ・ゲレロなどの指揮のもとで演奏を重ねる。2019年、ベルギーのB’Rockオーケストラの日本ツアーにソリストとしてルーシー・ホルシュと共に抜擢される。2020年のコロナ禍に『デリバリー古楽』をプロデュースし「四十雀賞」を受賞。2022年には鍵盤の鬼才アンソニー・ロマニウクと『J.S.バッハ:フルートソナタ集』(Fuga Libera)をリリースし、『レコード芸術』誌の特選盤およびレコード裏アカデミー賞に選出。2025年夏には同じくアンソニー・ロマニウクと新しいCDをChannel Classicsより発売予定。これまでに「テューリンゲン・バッハ週間」「バッハ・アカデミー・ブルージュ音楽祭」「東京・春・音楽祭」等、国際的な音楽祭にてリサイタルを行う。NHK-BSプレミアム「クラシック倶楽部」、NHK-FM「リサイタル・パッシオ」に出演。ぶらあぼONLINE『古楽とその先へ』のプレゼンター。『音楽の友』Webマガジン『ONTOMO』、音楽メディア『FREUDE』などに寄稿。たかまつ国際古楽祭芸術監督。
チェンバロとヒストリカル・ハープ2種の古楽器を自在に操る希有なプレーヤーとして世界的に知られ、数多くのコンサートや録音に参加。幅広いジャンルのアーティストとの共演は常に多くの反響を呼んでいる。毎回歴史上の人物と音楽をテーマにした王子ホール主催「西山まりえの歴女楽」は人気のシリーズ。2021年新日本フィル定期公演「バッハ:ブランデンブルク協奏曲」全曲演奏会に出演。ユトレヒト古楽祭、東京・春・音楽祭、北九州国際音楽祭など国内外の音楽祭にソリストとして招聘される。また「題名のない音楽会」「おんがく交差点」などTV・ラジオへの出演も多い。国内外レーベルへの録音の多くがレコード芸術誌特選盤や朝日新聞、毎日新聞の推薦を受けている。中世音楽のスペシャリストとしても知られ、ゴシック・ハープとオルガネットを奏するCD「トリスタンの哀歌」は数々の専門誌で高く評価された他、「ミセス」「サライ」「暮らしの手帖」など一般誌でも紹介され古楽を多くの聴衆に広めた。東京音楽大学研究科修了後、ミラノ市立音楽院、バーゼル・スコラ・カントールムに留学。第11回山梨古楽コンクール・チェンバロ部門第1位。武蔵野音楽大学非常勤講師。
©Naoya Yamaguchi
東京文化会館チケットサービス 03-5685-0650(8/16発売)
※8/16は電話・Webのみ販売(窓口休み)
・8/16 窓口=休み/電話・Web=受付
・8/17 窓口・電話・Web=受付
・8/18~21 窓口・電話=休み/Web=受付
・8/22 窓口=休み/電話・Web=受付
・8/26 窓口・電話=休み/Web=受付
ムジカキアラ 03-6431-8186(8/19発売)
日本モーツァルト協会 03-5467-0626(8/14発売)
※学生券は日本モーツァルト協会のみ取り扱い
ピアノ・ソナタ ハ長調 K330より第2楽章
(arrangiert von Toshiyuki Shibata / Marie Nishiyama)
※ やむを得ない事情により出演者・プログラムを変更する場合がございます。ご了承ください。
※ 10歳未満の方の入場はご遠慮ください。
※ 会場での無断撮影、録音は固くお断りいたします。