東京オペラシティコンサートホール
ウィーン室内合奏団は、故ゲアハルト・ヘッツェルがウィーン・フィルのコンサート・マスターに就任した翌年の1970年に、彼をリーダーとして、ウィーン・フィルのトップ・メンバーによって結成された。
1971年にはウィーン音楽祭でデビューを飾り、以後ザルツブルク音楽祭、ケルンテンの夏音楽祭をはじめ、ヨーロッパ各地の演奏会やラジオ・テレビ放送な どでも活躍。また、1974年からは、ウィーン楽友協会の音楽会シリーズやミュンヘンのベルアルテ・マイスターコンツェルテのシリーズにもしばしば出演し た。ウィーンのモーツァルト協会からは、“ゴールデン・フルーテンウール(金のフルート時計)賞”を受けている。
結成当時は、ヴァイオリン2人と、ヴィオラ、チェロ、クラリネット、フルート各1人を軸としたが、その編成は演奏曲目に応じて、コントラバス、ホルン、ピアノなども加えるなど、古典派から現代音楽にいたるまでの幅広いレパートリーをもつ。
フランツ・シューベルトの生誕200年に当たる1997年、ザルツブルク・モーツァルテウムで演奏したシューベルト八重奏曲、およびモーツァルトのディ ヴェルティメントK.247は、ユニテルによって録画されたが、このほかルートヴィヒスブルク音楽祭、ヴュルツブルク・モーツァルト週間、ラヴェンナ・ フェスティバルでも優れたアンサンブルを聴かせるコンサートを開催している。
さらに特筆すべきこととして、オーストリアの大統領トーマス・クレスティルがマドリッドを訪問した際、マドリッド近郊の小さな教会において、スペイン国王 夫妻とその招待客のために、演奏をおこなったことが挙げられる。これは、オーストリア政府の招待によって行った、1996年のトルコへの公式訪問に続く2 度目のことであった。
1992年にヘッツェルが不慮の事故で亡くなったため、以後ヨゼフ・ヘルがその後任を務めた。結成30年を迎えた2000年には、第2ヴァイオリンとヴィ オラに故ヘッツェルに見いだされたベネディクトとトバイアスのリー兄弟、チェロには気鋭のタマーシュ・ヴァルガが加わるなどメンバーは世代交代を都度果た してきたが、結成以来続くウィーン室内合奏団の響きの伝統は変わることなく継承されている。
このようにウィーン室内合奏団は、世界最高峰の室内楽のアンサンブルとして、日本各地の室内楽ファンからも絶大な人気と支持を得ており、来日のたびに室内 楽を聴く喜びと深い感銘を与えている。いつの時代であっても大事にされる音楽、その響きを一際大切に演奏する彼らの心が、聴衆の心をとらえて離さない。
※ 出演者・プログラムは変更することがございます。予めご了承ください。
※ 会場での無断撮影、録音は固くお断りします。