フォルテピアノという、音楽史の中で重要な位置を占める楽器を演奏し、温かみのある音色で多くの作品に命を吹き込む平井千絵。桐朋学園大学ピアノ科在学中 に、故小島芳子氏の演奏を通じてフォルテピアノと出会い、卒業後同氏に師事。その後、オランダのデン・ハーグ王立音楽院古楽器科へ留学し、スタンリー・ ホッホランド氏に師事して修士課程を首席で卒業している。
その後はオランダを拠点に国内外で演奏活動を続け、ユトレヒト古楽祭(オランダ)、バルセロナ国際古楽祭(スペイン)、ボーヌ国際バロック・オペラ・フェ スティバル(フランス)、ハレ・ヘンデル音楽祭(ドイツ)ほか、多くのコンサートや音楽祭に出演。またオルフェオ・バロック・オーケストラをはじめ、多く のオーケストラやアンサンブルと共演し、器楽奏者や歌手とのデュオも盛んに行っている。2008年からはアムステルダム音楽院や母校であるハーグ王立音楽 院で学内試験の審査員を務め、後輩の育成にもあたった。
日本国内においては鈴木秀美氏(チェロ)とのデュオや室内楽演奏で脚光を浴び、ソロ・コンサートも多数。特に、フォルテピアノについてのわかりやすい紹介 トークを交えたプログラムが好評である。2011年4月からは東京・王子ホールで『ぴあのの部屋』というシリーズがスタートし、女性作曲家による作品をプ ログラムに並べるなど、新鮮な視点で古典派時代の音楽を紹介している。
レパートリーは、18世紀に活躍したバッハ・ファミリーからハイドン、モーツァルト、そしてベートーヴェンを経て19世紀前半のシューベルトやショパンな ど、「フォルテピアノの黄金期」と言える古典派〜前期ロマン派時代の作品。加えてギタリストの鈴木大介氏(19世紀ギター)や、フランスの若手バロック・ ヴァイオリニスト、ジュリアン・ショーヴァンと共演するなど、新しいレパートリーの拡大にも意欲的に取り組んでいる。
鈴木秀美氏とのCD『メンデルスゾーン:チェロとピアノのための作品集』『ショパン:チェロとピアノのための作品集』(以上ソニー=BMG)は、「レコー ド芸術」誌や朝日新聞など多くのメディアで注目された。その後も唐澤まゆこ氏(ソプラノ)との『アート・オブ・マリー・アントワネット』(フォンテッ ク)、初のソロCDであるショパンとグリンカの作品集『1840』(アクースティカ)をリリースしている。モーツァルトのピアノ・ソナタ全曲録音 「Mozart Speaks」が進行中であり(フォンテック)、2012年5月にリリースされた第1弾は「レコード芸術」特選盤に選ばれた。2013年5月には第2弾の リリースが予定されている。
神奈川県出身。
1984年東京生まれ。モダン、バロック双方の楽器を弾きこなすヴァイオリニストとして、活発にコンサート活動を行っており、同世代の中でも際だって多才な音楽家として賞賛を浴びている。
2歳でヴァイオリンを始めた。2年後、両親と共に渡米、チン・キムに師事した後、ジュリアード音楽院プレ・カレッジでドロシー・ディレイ、川崎雅夫に師事 した。2003年、パリに移ってジェラール・プーレにモダン・ヴァイオリンを師事。2009年からはミュンヘン音楽大学でバロック・ヴァイオリンをメア リー・ウティガーに師事している。
バロック・ヴァイオリン奏者としては、コンチェルト・ケルンおよびオランダ・バッハ協会のコンサートマスターを務め、日本のオーケストラ・リベラ・クラシ カ、ベルリン・ラウテン・カンパニーではソリストとして演奏している。2011年には、近年では初めて、エンシェント室内管弦楽団と共にパガニーニのヴァ イオリン協奏曲第2番をピリオド(古)楽器で演奏した。また、クリスティーネ・ショルンスハイム、鈴木秀美、リチャード・エガーらと室内楽を定期的に演奏 している。
モダンの分野では、日本の主要オーケストラはもちろん、ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団、バイエルン放送交響楽団、フランス放送フィルハーモニー、ロシ ア国立交響楽団と共演。アメリカでは、10歳でフィラデルフィア管弦楽団にデビューして以来、ボルティモア交響楽団、ナショナル交響楽団、シアトル交響楽 団など名だたるオーケストラと共演している。
2010年、ライプツィヒの第17回ヨハン・セバスティアン・バッハ国際コンクールで第2位および聴衆賞を勝ち取り、バロック・ヴァイオリンの分野で更に 評価を高めた。出光音楽賞、S&Rワシントン賞など受賞も数多く、2013年2月からは、アムステルダムのジャンプスタート・ジュニア財団から ジョヴァンニ・グランチーノ(1695年製)のバロック・ヴァイオリンを貸与されている。
録音も「イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ op.27」、第62回文化庁芸術祭で大賞を受賞した「グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ集」、最近では「テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12の幻想 曲」など、幅広い分野にわたる。また、「パガニーニ: 24のカプリースop.1」では、パガニーニの作品を世界で初めてガット弦とバロック・ボウを使った歴史的奏法で録音した。
5歳よりチェロを始める。パリ・ソルボンヌ大学で美術史、ラングゾー=フランス国立東洋言語大学で日本語を学び、パリ国立高等音楽院をチェロ、室内楽共に プルミエプリで卒業。卒業後同音楽院の古楽器科において、バロックチェロと通奏低音を学ぶ。ソロ、室内楽奏者としてM.ポリーニ、M.ロストロポーヴィ チ、A.シュタイアー、伊藤恵、茂木大輔の各氏と共演。フランスのレ・タロンリリック、ラ・シャンブル・フィルハーモニックの主要メンバーとして、欧米各 国で演奏を重ねるほか、オルケストル・レヴォリューショネル•エ・ロマンティック(J.E.ガーディナー指揮)でゲストチェリストを務める。ピアニストの 高橋多佳子、ヴァイオリニストの神谷未穂とは、19世紀、20世紀のレパートリーを中心に演奏活動を行う。現在、桐朋学園大学音楽学部の特任教授として、 後進の指導にもあたっている。
※使用楽器は1750年作のカルロ アントニオ テストーレ。
みなさま、こんにちは!モーツァルトを愛する皆様の前で、ふたたび演奏できる機会をいただき、ほんとうに嬉しく思っております。文化会館の吸い込まれるよ うな独特の響き、そして皆様の気を感じながら、素晴らしい演奏家のお二人と共演できることが今からとても楽しみです。最近特に感じるのは、自分、とか、エ ゴイズム、みたいなものを少しでも手放せたとき、モーツァルトの世界に少し近づけるのかな、ということです。凡人には難しい限りですが・・・。毎回の演奏 が新しいものになるよう、そしてモーツァルトのプリズムのような魅力をお届けできるよう、佐藤さんとジラールさんのお力を借りながら目指したいと思いま す。会場でお会いしましょう!
※ 出演者・プログラムは変更することがございます。予めご了承ください。
※ 例会の臨時会員券(前売券・当日券)は当日会場窓口にて、また、東京文化会館チケットサービス03-5685-0650にて販売。
※ 10歳以下の方の入場はご遠慮下さい。
※ 会場での無断撮影、録音は固くお断りします。