カール=ハインツ・シュッツ Karl-Heinz Schütz(フルート・指揮)
篠﨑和子 Kazuko Shinozaki(ハープ)
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 Tokyo City Philharmonic Orchestra
《カレイドスコープ》
▶フルート協奏曲 第2番 ニ長調 K314
Konzert in D für Flöte und Orchester K314
▶フルート協奏曲 第1番 ト長調 K313
Konzert in G für Flöte und Orchester K313
▶フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K299
Konzert in C für Flöte, Harfe und Orchester K299
日本モーツァルト協会の皆様こんにちは。
2017年6月20日のコンサートについてご挨拶差し上げられることを大変嬉しく思います。
モーツァルトの音楽は、音楽家としての私の人生と常にともにありました。均整のとれたハーモニー、明瞭な光と暗い影の間のメロディーの浮遊に、私は子供の時から感動していました。初めて購入したレコードはモーツァルトのフルート協奏曲で、この作品を演奏できるようになるずっと前から、この音楽を聴き一緒に口ずさむことで親しんできました。
天才モーツァルトの人生は当時も今も私を魅了しています。ちょうど昨年の秋、モーツァルトの5冊目の伝記を読み終え、彼の音楽、そして人生の明暗について再度新たなを発見することができました。
天国的であり、それと同時に世俗的な彼の音楽のニュアンスの豊かさと充実は尽きることがないように思われます。
年月を経て、室内楽奏者、ソリストとしての経験を通し、今の私のフルートのレパートリーは出来上がりました。交響曲やオペラのソロ・フルートとして、充実したウィーンの演奏伝統が私をさらに発展させました。
現在の私は、ダ・ポンテ3部作「フィガロの結婚」、「ドン・ジョヴァンニ」、「コジ・ファン・トゥッテ」をオーケストラという生き物の一部として演奏し、この作品を内側から経験し形作るとき、特に強い感銘を受けます。
本日演奏する2つのフルート協奏曲「第1番 ト長調 K313」「第2番 ニ長調 K314」はソリストとして最も頻繁に演奏する曲です。この2曲に「フルートとハープのための協奏曲」を加えた3作品すべてが、私にとっては古き良き友人のようです。
モーツァルトの若き日の威勢の良さ、そして繰り返されるユーモアが、どの作品においても新鮮に聞きとることができます。そして、「フルートとハープのための協奏曲」の緩徐楽章では、恐らくモーツァルトの人生に関係していることが表現されていると思います。
一晩の演奏会で、この3作品すべてを演奏することは、私の長年の願いが叶うということです。東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、ハープの篠﨑和子さんとの音楽的な交流、相互作用をとても楽しみにしています。
カール=ハインツ・シュッツ(フルート・指揮)
オーストリア生まれ。エヴァ・アムスラー、フィリップ・ベルノルド、ジャン=ルイ・カペツァリに師事し、オーレル・ニコレからも教えを受ける。
1998年カール・ニールセン国際コンクール、1999年クラクフ国際コンクールで優勝。2000~04年シュトゥットガルト・フィルの首席奏者、2005~11年ウィーン響の首席奏者を務めた。現在、ウィーン国立歌劇場管およびウィーン・フィルのソロ・フルート奏者であり、ウィーン・コンセルヴァトリウム音楽大学の教授も務める。
これまでにオーケストラ奏者として、ハンブルク北ドイツ放響、ケルンWDR響、hr響、バイロイト祝祭管等に客演。ソリストとしては、2012年ファビオ・ルイージ指揮札響とモーツァルトの協奏曲第1番で共演したほか、これまでに、ウィーン・クラシック・プレーヤーズ、シュトゥットガルト・フィル、NHK響等と共演。特にウィーン響とは、2008年ヤコフ・クライツベルク指揮でモーツァルトの協奏曲第2番を、2010年ミラン・トルコヴィッチ指揮でイベールの協奏曲を共演し、好評を博した。また、ウィーン・リング・アンサンブルや、アンサンブル・ウィーン=ベルリンのメンバーとしても活躍している。
2014年11月のウィーン・フィル定期演奏会では、ダニエル・バレンボイムの指揮のもと、ブーレーズの「メモリアル『…固定した爆発…』のオリジナルでソリストを務め、大絶賛された。
録音の分野では、「ブラームス:フルート・ソナタ op.120」「プロコフィエフ:フルート・ソナタ ニ長調 op.94、他」「モーツァルト:フルート四重奏曲集」をカメラータからリリースしている。
桐朋学園大学およびニース音楽院を審査員満場一致の金メダルを得て卒業。
1992年第4回日本ハープコンクール・ヤング部門優勝、1993年第1回リリー・ラスキーヌ国際ハープコンクール・ジュニア部門第2位、1995年第7回日本ハープコンクール・プロフェッショナル部門に最年少で入賞、1997年第9回日本ハープコンクール・プロフェッショナル部門第2位、1998年エクサン・プロヴァンスで開催されたUFAM国際音楽コンクール・ハープ上級部門第1位、2004年第6回USA国際ハープコンクールでVanderbilt Music Company賞など、コンクール受賞歴多数。2006年第36回エクソンモービル音楽賞洋楽部門奨励賞、2008年度第19回出光音楽賞を受賞。
文化庁派遣芸術家在外研修員として2年間パリに留学。2004年に帰国して以来、国内主要オーケストラとの共演をはじめ、各地でのリサイタル、室内楽の演奏会に出演。また、東京・春・音楽祭、小澤征爾音楽塾、サイトウ・キネン・フェスティバル松本などにも参加している。
レパートリーは古典から近代はもちろん、現代作品まで多岐に渡る。同世代の作曲家の新曲初演にも意欲的に取り組んでいる。
2002年4月、ファーストアルバム「塔の中の王妃」(マイスター・ミュージック)で、CDソロデビュー。2010年8月、フルートの工藤重典氏との「モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 K299」(マイスター・ミュージック)が発売され、注目される。その他、篠﨑史子とのCD「メリー・クリスマス」(SONY)やチェンバロのローラン・テシュネとの「チェンバロ+ハープⅡ」(コジマ)をリリース。
これまでに、ヨセフ・モルナール、マリ=クレール・ジャメ、ミッシェル・ヴィオーム、イザベル・モレッティ、ジェルメンヌ・ロレンツィーニ各氏に師事。
1975年設立。昨年度創立40周年を迎えた。常任指揮者に高関健、桂冠名誉指揮者に飯守泰次郎を擁する。年間100回を超える公演は、東京オペラシティでの定期演奏会を柱にオペラ、バレエ公演、テレビ朝日「題名のない音楽会」などへのテレビ出演など多岐にわたり、数多くのCDをリリースしている。また地域コミュニティでの活動に積極的で、1994年から東京都江東区と芸術提携を結び、ティアラこうとう定期演奏会を始め、江東区内で音楽文化の振興を目的とした活動を幅広く行っている。
東京文化会館チケットサービス 03-5685-0650
パシフィック・コンサート・マネジメント 03-3552-3831
日本モーツァルト協会 03-5467-0626
※学生券は予定枚数を終了しました
ジャック・イベール作曲:間奏曲
※ 出演者・プログラムは変更することがございます。予めご了承ください。
※ 例会の臨時会員券(前売券・当日券)は当日会場窓口にて、また、東京文化会館チケットサービス03-5685-0650にて販売。
※ 10歳以下の方の入場はご遠慮下さい。
※ 会場での無断撮影、録音は固くお断りします。