モーツァルトの短調作品の魅力
シー・シャン・ウォンが奏でる
モーツァルト:3つのミノーレ
ピアニスト、シー・シャン・ウォン(ファン・シュヤン)は、1979年オランダ生まれ。スイスでブルーノ・カニーノらに学び、12歳でオランダ放送管弦楽団と共演しデビュー。初期古典派から現代音楽まで幅広いレパートリーを持ち、特にロマン派で高い評価を受けています。2002年からはチューリヒ芸術大学で教鞭をとっています。Decca(ドイツ語圏ローカル版)に録音したモーツァルトからドビュッシーにいたる5枚のソロ・アルバムなど、様々なレーベルで20枚以上のアルバムを発売しています。近年ではソニー・クラシカルへの「Piano Movie Lounge」と題された2枚のアルバムがヨーロッパ中で話題となり、「ショパン:ピアノ協奏曲第1番/ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番(室内楽版)」「ベートーヴェン三部作」は、ドイツでベストセラーにもなりました。
ウォンの新しいアルバムには、モーツァルトが短調で書いたこのジャンルの最高の2曲が収録されています。ピアノ協奏曲の中で2曲しかない短調作品で、当時のピアノ協奏曲が華やかで社交的な場のために書かれたものがほとんどであったため、特にこの2つの作品は特異な響きと性格をもったものですが、古典的な造形感を崩さず、透明な叙情性を引き出たせた傑作です。
シー・シャン・ウォンの疾走感ある前へと張り出した演奏は非常に現代的であり、タッチと絶妙なペダリングにより、ノスタルジーや感傷は微塵もなく、美しさと心に染み入る哀しさに満ちています。カデンツァは、20番ではフンメル、24番ではフィリップ・カール・ホフマン(1769-1842)による、あまり演奏されないものが使用され、最後にモーツァルトの曲では非常に珍しいロ短調という調性による、ピアノ・ソロ作品を置くことによって、アルバム全体に統一されたリリシズムを与えています。
【曲目】
モーツァルト:
ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K466
[カデンツァ:フンメル、第2楽章の装飾:ウォン]
ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K491
[カデンツァ・第2楽章の装飾:ホフマン]
ピアノのためのアダージョ ロ短調 K540
【演奏】
シー・シャン・ウォン(ピアノ)
フィリップ・フォン・シュタインネッカー(指揮:K466, 491)
南西ドイツ・フィルハーモニー交響楽団(K466, 491)
【録音】
2016年1月18-22日、2017年12月18-20日。
ドイツ、コンスタンツ、シュタイゲンベルガー・インゼルホテル
【規格品番】19075917322
【レーベル】RCA Red Seal
【SKU】190759173220
(以上、ソニー・ミュージックより)